COLUMN 受け継がれる匠の技
良い抹茶の見分け方(色・香り・味)
2026.07.15
抹茶は一見するとすべて同じ「緑の粉」に見えます。しかし実際には、栽培方法・原料・製法の違いによって品質には大きな幅があり、グレードや用途も大きく異なります。
抹茶選ぶには「価格やブランド名」ではなく、五感で見極める力も必要になります。
基本となる3つの判断軸「色・香り・味」から、良い抹茶を見分けるポイントについてお伝えしたいと思います。
1. 色
鮮度と栽培の質を映す最初の指標
良質な抹茶は、冴えのある鮮やかな緑色をしています。これは収穫前に日光を遮る「被覆栽培」によってクロロフィルが豊富に保たれているためです。
良い抹茶:明るく深みのある緑、均一でくすみがない
注意すべき状態:黄み・茶系・オリーブ色(酸化や低品質原料の可能性)
また、粒子の細かさも重要です。
石臼で丁寧に挽かれた抹茶は約5マイクロンで粒度が均一で光沢感があり、粉の状態でも品質の高さが感じられます。
2. 香り
品質差が最も現れる要素
抹茶の香りは、品質評価において非常に重要な判断材料です。
良い香り:青葉のような爽やかさに加え、甘みや海苔のような旨みを伴う「覆い香」と言われる香りが特徴
注意すべき香り:草っぽさ、埃っぽさ、焦げたような違和感がある
抹茶特有のこの甘くやわらかな香りは、適切な被覆栽培と丁寧な製造工程によって生まれます。
香りが弱い、あるいは雑味を感じる場合は、原料や製法、保存状態に問題がある可能性があります。
3. 味
バランスを見るのが基本
抹茶の味で重要なのは、苦味の強さではなく旨味と苦味のバランスです。
抹茶の味は主に以下の要素で構成されています。
旨味(テアニン由来アミノ酸)
甘味(テアニン・自然な糖分など)
渋味・苦味(カテキン・カフェイン)
良質な抹茶は、これらが調和し、まろやかで奥行きのある味わいになります。
良い味:旨味と甘みが広がり、苦味が柔らかく後味がきれい
注意すべき味:苦味・渋味だけが強く、単調でえぐみが残る
特にCeremonial(茶道・飲用・濃茶用)の抹茶は、渋味が少なく、口当たりが滑らかであることが特徴です。
用途との適合が最終判断
重要なのは、「良い=高級」ではないという点です。
茶道・ストレート飲用 → 旨味・甘味重視 Ceremonial(茶道・飲用・濃茶用)
ラテ・加工用途 → 苦味を活かす Culinary(製菓・料理・加工用)
抹茶は用途によって最適解が異なるため、色・香り・味の評価は“目的とセットで判断する”ことが不可欠です。
まとめ
良い抹茶の見分け方はシンプルです。
色:鮮やかで濁りがないか
香り:甘みを伴う自然な青さがあるか
味:苦味だけでなく旨味とのバランスがあるか
品質を見抜く力は、この3点を基準に評価を積み重ねることで磨かれていくことでしょう。
