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抹茶ができるまで

抹茶ができるまで

抹茶は、鮮やかな緑色、豊かな旨味、なめらかな口当たりが特徴です。
その品質は、栽培から製造までの各工程で培われる職人たちの技術によって支えられています。今回は、抹茶がどのように作られるのか、その製造プロセスをご紹介します。

抹茶づくりは被覆栽培から始まる

抹茶の原料となる茶葉は、収穫前の20~30日程度、直射日光を遮る「被覆栽培」によって育てられます。
日光を遮ることで、茶葉の中には旨味成分であるテアニンが多く残り、苦味や渋味のもとになる成分の生成が抑えられます。
その結果、抹茶特有のまろやかな旨味と鮮やかな緑色が生まれます。
この工程は、抹茶の品質を左右する最も重要な工程の一つとされています。

新芽を丁寧に摘み取る

被覆栽培によって育てられた茶葉は、春の収穫期に摘み取られます。
上級グレードの抹茶には、一番茶の中でも特に柔らかい新芽や若葉が使用されます。
若い葉は旨味成分であるテアニンを豊富に含み、苦味や渋味が少ないため、まろやかで奥行きのある味わいを生み出します。
収穫後の茶葉は鮮度を保つため、速やかに加工工程へと運ばれます。高品質な抹茶づくりは、こうした繊細な原料選びから始まっています。

グレードを左右する原料の違い

抹茶のグレードは、使用する茶葉の種類や栽培方法によって決まります。
上級グレードは若い一番茶を中心に、長期間の被覆栽培によって育てられた茶葉が使われます。そのため鮮やかな緑色と豊かな旨味が特徴です。

一方で、中級・下級グレードは、やや成熟した葉や二番茶以降の茶葉が使用されることがあります。これらの茶葉はカテキンを多く含むため、苦味や渋味が感じられやすく、抹茶らしい力強い風味を楽しむことができます。
また、健康志向の観点ではカテキンを豊富に含むことも魅力の一つです。カテキンは緑茶に含まれる特有の成分として知られており、抗酸化作用や動脈硬化を抑制する機能が近年注目されており、日常的な飲用への活用も広がっています。
抹茶の価値は価格だけではなく、原料や栽培方法によって生まれる個性を理解し、目的に応じて選ぶことが重要です。

碾茶へと加工する

摘み取った茶葉は蒸して酸化を防いだ後、乾燥工程へ入ります。
このとき一般的な煎茶のように揉まず、葉の形を保ったまま乾燥させたものが「碾茶(てんちゃ)」です。
さらに碾茶から茎や葉脈などを取り除くことで、抹茶の原料として適した状態に仕上げていきます。
この選別工程によって、雑味の少ない上質な風味が生み出されます。

石臼挽きで製粉する

仕上げの工程が石臼による製粉です。
碾茶をゆっくりと石臼で挽くことで、非常に細かな粒子の抹茶が作られます。
大量生産には向きませんが、摩擦熱の発生を抑えられるため、香りや色を損なうことなく仕上げることができます。
石臼で挽かれた抹茶は粒子が均一で、口に含んだときのなめらかさや豊かな香りにつながります。
現在では機械ミルを用いた製粉も広く行われていますが、石臼挽きと機械ミルでは粒子の特徴や風味の表れ方に違いがあります。
石臼と機械ミルの違いについては、「なぜ日本の抹茶は世界で評価されるのか」で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
https://www.takumijpn.jp/jp/column/5

抹茶ができるまで

抹茶づくりは職人の技

抹茶は、被覆栽培から収穫、碾茶加工、石臼挽きに至るまで、多くの工程と人の手を経て完成します。
鮮やかな緑色や豊かな旨味は、どれか一つの工程だけで生まれるものではありません。それぞれの工程で積み重ねられた技術とこだわりが、一杯の抹茶の品質を支え、日本の茶文化を受け継ぐ匠の技が息づいています。
抹茶を選ぶ際には、味や香りだけでなく、その背景にある製造プロセスにもぜひ注目してみてください。

近年は世界的な需要の高まりにより、グレードや価格だけでは抹茶を判断できない時代になっています。
製造プロセスを知ることが、本当に価値ある抹茶を見極める第一歩だと言えそうです。

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